家電の値切りの仕方とは? 「勉強します」の一言を引き出す値引き交渉術

  • 2018.4.26
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関西圏、特に大阪ではよく「値切りは当たり前」と言われます。
関東圏の方にはあまり馴染みがないと思いますが、大阪の商店街などでは連日、「勉強してくれへん?」「勉強するで!」というフレーズが飛び交っています。
ちなみにここで言う「勉強」とは、勉学のことではなく「値引き」を意味します。

そして大阪の人たちの大半は値切り行為をみっともないと思うばかりか、むしろ「どれだけ安く買えたか」ということが自慢話になっています。

 

ところであなたは、値切り行為をしたことはありますか?
恐らく、「恥ずかしい…」「ケチだと思われそう…」「みっともない…」などの理由から、したことがないという方が何人かいらっしゃるでしょう。
確かに馴染みがないとなかなか実践し辛いですが、だからといって一切交渉をせず、何でもかんでも定価で購入しているのは非常にもったいないです。
というのも、値引き交渉はある意味、お互いがWin-Winの関係になれる最高の交渉術と言えるからです。

 

また、値切りの駆け引きを正しくマスターしておけば、日常生活だけでなくビジネスシーンでも役立つ知識となりますので、覚えておいて損になることは無いでしょう。
こちらでは、その交渉のコツについて詳しくご紹介していきます。


まず、値切りで最もしてはいけないのが、相手の利害を考えず一方的に「値引きして!」と言うことです。
流行りのフリマアプリでも問題になっていましたが、これは交渉ではなくただの迷惑行為ですね。
自分の言い値でしつこく迫り、その結果売り手が折れて交渉成立。これだと買い手は得していますが売り手は損をしているので、Win-Loseの関係になってしまいます。

そうではなく、お互いがWin-Winの関係になれるよう誘導し、売り手側から「勉強します」の一言を引き出すのが重要です。
そしてそれを可能にするのが、『ZOPA(ゾーパ)』という交渉学です。

 

ZOPAとはZone of Possible Agreementの略で、交渉可能領域とも言います。
例えば上記のフリマアプリを例に、商品を出品する側のAさんと、それを購入したいBさんが存在しているとします。

 

出品者のAさんはまず、Tシャツを送料込み1,500円で出品しました。
そして1,000円までなら値引き可能という初期値を設定しているとします。
一方で購入者のBさんは、1,500円では買いたくないが、1,300円までなら出せるという初期値を設定しました。

 

そうするとこの場合は、1,000円~1,300円の間がZOPA(交渉可能領域)となります。
つまりこの領域の価格帯、例えば1,200円で交渉が成立すれば、お互いにWin-Winとなれるわけです。
また、仮にBさんがもっと安く買いたいからとさらに値切りをして、最終的に1,000円になったとしても、Aさんは初期値で示した金額通りになっているため、特に損をしたわけではないのです。

 

このように、ZOPAを頭に入れておけば、値引き交渉でかなり優位に立つことができます。
例えば、日常で値引きの場面がよくある家電量販店。
家電には値切りできる物とできない物がありますが、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機などの大型家電は大抵、値切られても大丈夫なように表示価格が設定されています。
しかし店員を呼んでいきなり、「これ値引きしてよ。」と直球で行くのはスマートなやり方ではありませんよね。
意味は伝わりますが、場合によっては効果を期待できません。
そこで、ZOPA(交渉可能領域)を応用した、効果的でスマートな値切り方をご紹介します。


例えば表示価格が15万円の洗濯機で、値引きできる限界が3万円とします。
そしてあなたは店員を呼びますが、最初は値段のことよりもその洗濯機のスペックを聞き、買う理由や他の店(ネットショップ以外)も回っているなどの会話から入ります。
交渉術の基本ですが、まずは相手の話を聴くことを前提に接した方が、一方的に要望を伝えるよりも好印象を持たれます。
そしてある程度話し終えた所でようやく、値引き交渉がスタートします。

 

①「この洗濯機を買いたいんですが、何円までなら値下げできますか?」

 

購入の意志を示しながら歩み寄り、且つ具体的な数字を聞き出します。
そうすると店員は値引きした後の価格を提示してくれますが、相手も商売ですのでいきなり限界価格は提示しません。
そこで次に、向こうから「勉強します」と言ってくるように誘導します。

 

②「その価格だとさっき行ったA店と同じだから、どっちで買おうか悩みますね…」

 

③「でも急いで設置したいんで、12万円になるんだったら今ここで買いますよ。」

 

というように、
・他の店と比較検討していること
・急いで購入したいこと
・何円まで下がるなら即決するという意志を伝えます。

 

すると店員は、ここで交渉に応じなければ、ライバル店に売上を持っていかれると危惧するでしょう。ここで始めて、「勉強します」の一言を引き出せるわけです。
そして12万円で納得できれば、無事Win-Winで交渉が成立します。
ただし、「10万円以下になるんだったら…」などの大幅な値切りをしてしまうと、店側の初期値を超えてしまうため交渉は成立しません。
そのため、会話の節々から限界価格を予想しつつ、最終的にこの価格なら購入できますという意志表示をすると良いでしょう。

 

ちなみに、大型家電なら上記のような交渉ができますが、アップル製品や携帯電話・ゲーム機・ゲームソフト・DVDなどは値引きができません。
また、元々の価格が数百円~数千円程度の安い商品も、店によっては値引きを断られるので注意しましょう。


このように、値切りの駆け引きとZOPAをマスターしておけば、家電を購入する時だけでなく、ビジネスにおいても相手の交渉可能な領域が予測できるため、その限界値ギリギリに合わせた優位な交渉ができるのです。
また、ZOPAを理解しておけば、領域が狭すぎて交渉決裂になりそうな時でも、「A案は断るが、そのかわりB案を受け入れる。」というような落とし所を提示できます。
この方法ならお互いが満足して交渉を終えられますし、結果的に見れば有利に交渉を進ませたと言えます。

 

ZOPAを理解していても、時と場合によっては直接的な値引きが不可能なケースは多々あります。
しかしそれを頭に入れておけば、たとえ金銭面で得にならなかったとしても、別の側面から利得を生じさせられるので、交渉自体は成功したと言えるわけです。